2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

下ネタの美学

俺は昔から、上品な下ネタを追究している。 いや、昔からではないか。ここ3年くらい。 私は男子校出身で、在学当時は当然ながら下ネタというものはとても身近に飛び交うものだった。 しかし、ただただ「おっ○○」とか「ち○○ん」という言葉を発しているだけで…

夏の終わり~流れ星

「ねぇ、どこまで行くのさ…」 「いいでしょ、せっかくだったらもっと高い所まで行こうよ!」 夏の終わりのスキー場、合宿で来たそこは、周囲の町とは少し離れたところにある。だからこそ朝から晩まで周りを気にせずに音を出せるし、俺たちみたいなオーケストラの…

夏の終わり~伝わらない言葉、進めない大人~

文を書くのは簡単なんだ。 韻を踏むのだって簡単なんだ。 心に決めれば簡単なんだ。 でも、結果は散々だった。 だから今、伝えたい言葉も言えなくて、 浮かばない感情が見え隠れ。 出来ることなら逃げたくて、 でも逃げる勇気なんて最初からない。 文字にはす…

夏の終わり~サイレン~

沸き上がる大歓声と共に、向かいのベンチから溢れんばかりの笑顔が見えてくる。 周りを見ると、呆然と立っている者、泣いているもの、その背中をポンポンと叩いている者。 自分は一体どれなのだろうか。 重い足を動かしながら、相手チームの待つホームベース…

夏の終わり~花畑~

やっと着いた… 埼玉から遥々5時間、最後は二両編成の電車に揺られながらやっとの思いで到着した。 空は曇っており、今にも雨が振りだしそうな様子である。 山の天気は変わりやすいなんてのは本当にその通りだ。さっきまで笑っていた空は、いつ涙を流してもお…

夏の終わり~オーケストラがやってきた!~

今日は始業式! 私は1ヶ月半ぶりに制服の袖に腕を通し、太陽の降り注ぐ世界へ踏み出した。 明るい景色とは裏腹に、私の耳には沢山の騒音が飛び込んでくる。 風の吹く音、その風が木を揺らす音。自分の足音、見えないどこかで走っている車のエンジン音、すれ…

夏の終わり~打ち上げ花火~

優しく流れる冷たい風が頬を撫で、夏の終わりを実感する。 ふと隣を見ると、少し斜め上を向いた君の横顔が見える。 その姿をずっとこの目におさめておきたいけど、そうやってカメラを構えると君はすぐに別の方を向いてしまう。 なんだがその一瞬がもどかしく…

夏の終わり~prologue~

夜、窓を開けて寝ていると、どこからか虫の声が聞こえるようになった。 もうすぐ夏休みが終わる(あと1ヶ月)ということで、今年の夏休みにあった出来事を題材にして小さな物語を大量に作っていこうと思う。 あんなことやそんなこと、思い付く限りの出来事を「…

狼男

昔から妖怪というのは恐れられていたもので、のっぺらぼう、口裂け女、ねずみ小僧など、小さい子どもには馴染みが深く恐ろしいものである。 妖怪とは少し違った化け物として、狼男というのがいるが、これもまた馴染みが深くよく物語でも登場してくる事がある…

小噺~落語より~

昔のお話、時は江戸時代。たいそう有名な医者が道路に落ちている財布を見つけたそうだ。当時は警察に届けるなんていう文化はないから、財布を見つけたら拾って自分のものにするか見なかったふりをするかのどちらかであった。 医者はその財布を拾おうとしたが…

音楽教室 〜「音楽」とは〜

今年も、音楽教室が終わった。 音教の何が楽しいかって、子供たちがその音楽をどのように感じたかがとても伝わってくること。 特支の子たちはとてつもなく自分の感情に素直で、嫌だったら嫌と言うし、楽しい時は全身でその楽しさを表現しようとする。 その感…

棚からぼた餅

おいおいおい、なんだよこれは… 死んだ兄の遺品を整理するために棚を開けたら、少し奥の方からきれいにラップに包まれたぼた餅が出てきた。 朝っぱらからこんなよく分からないものを見つけたもんだから、気が気じゃない。 そして、その隣にはメモ書きが一言…