音楽教室 〜「音楽」とは〜

 

 

今年も、音楽教室が終わった。

 

音教の何が楽しいかって、子供たちがその音楽をどのように感じたかがとても伝わってくること。

 

特支の子たちはとてつもなく自分の感情に素直で、嫌だったら嫌と言うし、楽しい時は全身でその楽しさを表現しようとする。

 

その感情の動きが奏者のところまで伝わってきて、その感情の一つ一つが演奏を突き動かす原動力となる。

 

この演奏会が、「音楽って楽しいな」ということを1番実感させてくれる。

 

 

音楽とは音を楽しむものであるから、厳しい練習やスパルタ的な教育は必要ない。自分が音を楽しむことが大切なのだ。

こういう話を随分前に聞いたことがある。

 

でも、私はこの音教に向けて必死で練習してきたし、この理論は違うと思う。

 

別に、自分の趣味でピアノを弾くとか、誰のためでもなく自分たちが楽しむためにバンドを組むとかなら単に音を楽しめばいい。

 

しかし、少なくともオーケストラはそうではないと思う。

 

 

音を聴きに来てくれるお客さんがいて、その人たちに向けて私たちは演奏をする。

 

そのためには、中途半端な演奏ではダメなのだ。

 

 

 

去年の音楽教室を通じて心から実感したこと。

 

それは、「音楽」とは「音を楽しませる」ということである。

 

 

1年前、オケを始めて数ヶ月の初本番。特支の子たちを見て、あの笑顔を見るためにこれまでやって来たんだなということを、大学からオーケストラを始めた初心者の小僧は実感した。

 

 

そして今年、新たに思ったことがある。

 

 

「音を楽しませる」ということは、「音を楽しむ」ということである。

 

 

今年の音教はオリンピックマーチのスネア、スターウォーズティンパニ、トトロのシロフォン、ブラジルのドラムと、これまでの演奏会とは比じゃないくらいに重たいもののオンパレードであった。

 

だからこそ、失敗しないために、子供たちに音を楽しんでもらうために出来る限り全力を尽くしてきた。

 

 

その結果、今音教を振り返ると、楽器がどうこうよりも「楽しかった」という言葉が真っ先に出てくる。

 

 

子供たちが音を楽しんでいる姿を見て、これまで練習してきて良かったなというふうに思う。

 

 

そして、それを思うと、大変だった練習も、ボロボロだった合奏も、全てが「楽しかった」と思えてきたのだ。

 

 

合奏で落ちまくったスターウォーズも、音を外しまくったトトロも、不安しかなかったドラムも、今思えば全部が楽しかった。

 

 

練習して間違いなく叩けるようになるのも、自分の音が曲の中にスッと溶けていった時のことも、1年経っても全てが新鮮で楽しいものだった。

 

 

音楽教室とは、音楽の楽しさを子どもたちに教えるだけではなく、子どもたちからも様々なことを教えてもらえる教室なのである。

 

 

だから、私は音教が好きなのだ。

 

 

 

 

実際、本番でミスったものや納得いかなかったこともあるから自己満足だと言えばそうなのかもしれない。

 

でも、今年の音教は成功したと言っていいのではないかと思う。

 

定演まであと3ヶ月。

 

ここから先、様々なことが待ち受けているのは目に見えている。

 

 

でも、来てくれたお客さんに音を楽しんでもらうため、そして、それを通して自分が音を楽しむために、これからも練習をしていこうと思う。

 

 

 

まだまだ初心者の皮が剥ききれていない蛹ではあるが、これからも打楽器、オーケストラを楽しんでいきたい。