十七歳

 

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見慣れた街 17の秋 抑えきれない感情の波

眼に映る全てが敵に見えた

舐められないよう尖って見せた

 

二度目の停学退学へリーチ

まぁそれも楽でいい

次第に学校も行かなくなった

親も諦めてしばらく経った

 

生きることすらそもそも不得手

部屋にこもる時間だけが増えて

親のいないある日のチャイム

無視してたけどしつこさに参る

インターフォン女の声

隣のクラスの新人教師 何故ここへ?

「あんたが出て来るまで来る」

真っ直ぐな声が神経逆撫でする

 

それから本当に毎日来ては

小うるさく説教してみせた

意気地なしだなんだ好き勝手言う

んなこと俺が1番分かってる

言う通りにするのも癪だけど

このままじゃ地獄まで付いて来られそう

「分かった、顔出すよ」つい言った

そん時の笑顔が1番効いた

 

17's Bluse ずっとその声は聞こえていたんだ

でもそれはあまりに眩しすぎて

17's Bluse ずっとその声を探していたんだ

ねぇもしも 夢が叶うなら もう一度…

 

 

来たら来たで厄介な日々だ

今までのツケが響いた

赤点が1、2、3 どの道進級は厳しいな

居心地の悪いこの場所

でもあいつがやって来る放課後

受け持ち外の教科の補習

日が暮れるまで居残る

 

段取りが良いとは言えなかった

けど必死な目から逃げられなかった

ついつられて頑張った

たぶんあいつに認められたかったんだ

 

おかげで進級した新学期

どこにもあいつがいない

なんでもだいぶ遠くの街に

急に決まった異動らしい

挨拶もなしでなんで辞めた?

教頭捕まえてやっと聞き出した

どうやら俺の面倒ばかりみすぎて

関係を疑われた?

 

ふざけんな! 怒声が校舎に響く

あいつは今どこにいる?

でもどの面下げて会いに行ける?

やり場のない気持ち風に消える

 

17's Bluse ずっとその声は聞こえていたんだ

でもそれはあまりに眩しすぎて

17's Bluse ずっとその声を探していたんだ

ねぇもしも 夢が叶うなら

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一般的な人生を歩むことを諦めかけた17歳の少年と、その少年を拾い上げた新人の女性教師のお話。

 

自分を認めてくれる唯一の人と出会い何とか進級するも、そこに訪れる唐突な別れ。

 

驚き、苛立ち、諦めから始まった少年の心境が困惑、嫌悪とともに喜び、感謝へと変わる。しかし、そこで唐突に憎悪、虚無へとまた戻る。

 

そして、舞台はその数年後に移る。

 

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見慣れない街 二十歳の秋

俺が進学とか笑える話

少しだけど連れも出来た

実は、ささやかな夢も出来た

 

そんなある日寝過ごして知らない駅

終電逃しタクシー乗る羽目に

ふてくされた俺の目に飛び込んだ

嘘みたいな運命

 

少し髪が伸びたあいつがいた

と思えば向こうも気がついた

募る気持ちが止まらない

でも、伝えたいのはこんな言葉じゃない

意を決して勇気出したその時

彼女に迎えが来た

少し年上の男 胸には彼女によく似た子供

 

「出会って2年籍も入れたんだ」

そう言って彼女ははにかんだ

俺の知らない笑顔を見て

出かかった言葉を押し殺して

最後にありがとうだけ伝えた

何年かぶりに涙が出た

この涙の2つ目の意味は

俺だけ知ってりゃあそれでいいや

 

17's Bluse ずっとその声は聞こえていたんだ

でもそれはあまりに眩しすぎて

17's Bluse ずっとその声を探していたんだ

ねぇもしも 夢が叶うなら もう一度…

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時は流れて二十歳の秋。

あの頃の少年が抱いたささやかな夢とはどんな夢なのか。

 

そして、偶然の再会を果たす2人。

 

そこでまた別の運命が少年を突き動かす。

 

自分の人生を変えてくれた恩師に感謝を伝えられなかった少年は、出かかった別の言葉を押し殺して感謝の気持ちを伝える。再開出来たことと感謝を伝えられた事に対して涙が流れる。少年の涙は恩師にもきっとそのように映っただろう。

 

そして、その涙の2つ目の意味は。

恩師が結婚した事に対する嬉し涙なのか、自分が想いを伝えられなかった事に対する悔し涙なのか。またはどちらでもない全く別の涙なのか。

2つ目の意味は少年しか分からない。

 

 

 

 

もう、この歌の世界観だけで小説が書けますよね笑笑

 

物語系の歌って、登場人物の行動とか気持ちとかが音楽、声調と合わさることでより強調されたり謎めいたものになるから聴いていて楽しい。

 

 

是非とも聴いてほしい一曲( ^ω^ )

 

 

 

 

SKY-HI / 十七歳